■治験例(11)落馬⇒嘔吐が止らない


30代女性。職業;会社員
身長150cm,体重45kg お酒:○,タバコ:×

 

【悩み】
前日趣味の乗馬中、馬が急に暴れだし、落馬。

その後、嘔吐が続く。今は大丈夫だが、再発しないか不安。

右半身も打撲により痛い。骨は大丈夫だろうか?折れていないか?


【視診・問診・検査】
*
表情は、穏やか。自力歩行可。会話もスムーズ。

*便通;大小便とも有り。

*当日は、ヘルメット着用。泥付き無しのため、頭部への直接打撃は無し。

*疼痛部には、冷湿布添付済み。

*本日は、嘔吐なし。

 

*睡眠;良好(背部痛無し)

*趣味;乗馬(これまで、落馬経験無し)

*既往歴;手術等も無し。

*書字;拡大縮小無し。

 

*血圧;110/58(脈拍62) ・・ 普段通り。

*右股関節;外旋時痛

*右肩関節;内旋時痛
*
熱感;無し。

*疼痛部の音叉検査;疼痛の増大(-)

 

【方針】
「嘔吐」:脳への強い衝撃により、嘔吐中枢が刺激され、継続して

嘔吐する場合もあるが、

今回は一時的なものであった。原因は、一時的なショック

(交感神経亢進状態)によるものと考える。

理由は、下記のとおり。

 

ヒトは、自律神経(交感神経/副交感神経)により、カラダ全体のバランスをとっている。

 

リラックス状態(副交感神経優位)の時、体内ではゆっくりとした呼吸、

消化液の分泌、消化されたモノの吸収、心拍が減少する。

また、瞳孔の縮小、気道の狭窄、直腸・膀胱の括約筋の弛緩、男性性器の

勃起などもおこる。

 

しかし、落馬という急激な外部からの攻撃 により、自律神経

(交感-副交感バランス状態)が一気に交感神経亢進状態に移行した。

それにより通常、リラックス状態で消化・吸収されるべきモノが、急激な

興奮状態に変化したため、消化・吸収が後回しにされた(ストップした)。

 

よって、体内の消化物(吸収される手前のモノ全て)が邪魔になり

体外へ放出した(=嘔吐した)と推測。

こうすることでカラダは、外部からの攻撃 に対して、全精力を向けることができる。

 

薬品投与時にも、『退薬症候』という症状がおこりうる。

鎮痛や精神安定、催眠、呼吸抑制、鎮咳を目的として、

morphine type(モルヒネ)」、

barbiturates and alchohol type(バルビツール)」、

cocaine type(コカイン)」、「cannabis type(大麻)」、

hallucinogen type(LSD)が投与されることがある。投与中は、

交感神経亢進状態から、リラックス状態(副交感優位)へ移行される。

 

しかし、急激に投与量を減らしたり、止めたりすると、薬により

押さえられていたものが 一気に交感神経 優位状態に移行することがある。

この例と同様とも言える。

 

会話はスムーズ。頭部への直接衝撃はない。睡眠時に問題はなし。

書字、正常。 これらより、「脳」への直接損傷は、概ねなしと推測。

便通正常より、「馬尾神経」は正常と推測。

安静時(睡眠時)痛み無し。音叉検査(-)より、骨には影響なしと推測。


これらより、本人は今もなお興奮状態である。

不安感を押さえることで、「自律神経」を普段状態(正常値)に戻す。

そうすることで、体内を普段どおりの状態に戻すことができると仮定。

(血圧も低めで安定。微小血管に関する危険も少ないと判断)

 

【施術】

 まず、「会話」により、問診および『不安感』を取り除く。

(今、もっとも何に関心があるかを導く。)

 

旅行者の多くは、行程の最終日に疲れを取りにマッサージなどを利用する。

しかし今回の女性は、旅行初日。表情からは、あまり不安さは見えないが

やはり、よっぽど気になる精神状態であろう。

 

関心事は、「シュノーケリング」と「食事」。

秋冬にかけては、南の海岸の方が波は穏やか(東からの風が強い)。

ちょうど島の南海岸線には、美味しいデザートの食べられるお店が

並んでいる。

これらの会話のなかで、『不安感』はかなり消えてきた。

 

また、「骨折」に関する説明。

安静時、痛みがないため問題はないだろう、と説明。

・・ 表情が、和らいだ。

 

その後、施術。

内容は、『脳セラピー 』。これは、脳や脊髄といった大事な神経に不足

していた栄養素。

これを「脳脊髄液(リンパ液のようなもの)」の循環促進により、補う。

 

移動の疲れもあったのか、施術中はぐっすり。

旅行の帰りにも施術され、気分も上々で旅路を終えられました。

 

【分析】
 落馬後、2日目と5日目。症状は徐々に好天に向かい、問診・検査による「仮説」は間違いは
無かったと考える。

 [落馬による強い衝撃・一時的なショック状態]

 

【指導】

 今後、乗馬による「恐怖心」は残ると思う。プロテクタの着用も考えに

入れたい。もし、再度落馬した際も少しでも早く「不安感」を取り除くため

すぐに検査を行い、不安感を取り除く。そうすれば、

快適な日々を過ごすことができるから

また今後、嘔吐など症状の変化があれば、すぐに脳内の検査(CTMRIなど)

も忘れずに。

 

※ 注意:この【施術】法は万人向けではありません。
 ⇒ このように当院では、個々人に合わせて【施術】法を選択しますので、施術前には必ず【問診】【検査】そして、【施術】法の確認(説明・合意)を行います。

 

この内容についてご不明な点は、電話などでお尋ねください。
症状の悪化を未然に防ぐために、医療機関でのレントゲン/血液・尿検査も併用しています。

 

イラストは、『馬グッズのホースシューHP』より


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